元々はただのカフェ好きな大学生
大学生のときからカフェ空間が好きで、よくカフェで落ち着いたり、作業したり、アルバイトもカフェ。 もともとコーヒーはそれほど得意ではなく、ブラックでは飲めず、飲むならカフェオレ。 大学卒業後、一般企業に就職するも、大学3年から患っていた神経疾患ジストニアの症状を悪化させ、入社たった2ヶ月で退社。まもなく療養期間に入り、時間もあるので何か資格を取ろうと、カフェが好きだったことから、コーヒーについて学び始める。
コーヒーの奥深さ、焙煎の重要性
本物のコーヒーの美味しさ、奥深さをそこで知ることになる。のちに通信教育でバリスタの資格を取得。また、コーヒーはドリップコーヒーやエスプレッソ抽出など淹れる技術も重要だが、焙煎技術がコーヒーの味を決めることに気づき、自分で焙煎をすることへの興味が湧いてくる。一度だけ手網焙煎のワークショップに参加後、独学で焙煎の技術を向上させる。
神経疾患の治療のためのオルゴールセラピー
神経疾患の治療のためのオルゴールセラピー
大学在学中に神経疾患ジストニアを右腕に発症。右腕を思うように動かせず、力が入りすぎて硬直したり、不随意運動起こしたりする難病で、様々な部位で起こりうる。治療を試みるもなかなか思うように効果が得られなかった。漢方薬や針治療も効果は得られずだった。
就職先を退社することが決まったころ、大学病院を紹介され、この疾患に一番効くとされた薬を処方されるも効果がないどころか、激しい動悸、精神錯乱などの副作用に苦しめられた。
そんなとき、親戚からオルゴール療法(オルゴールセラピー)を勧められ、通うように。
オルゴールで身体の不調が良くなるなんて最初は信じられなかったが、通っているうちに、オルゴールの響きに身体が反応するようになり、徐々に右腕の調子が上向いてくる。オルゴール療法についても学ぶようになり、オルゴールセラピストの資格も取得。
1年後には右手で少しずつ文字が書けるようになってきたり、生活のあらゆる場面で右手を使えることが増えてきた。
自然の流れに逆らわずに今と向き合う
そして、気持ちの部分でも変化が出てくる。
治療を本格的に始めてから、この病気を完治させたい、右手をちゃんと使えるようになろうと強く思っていた。しかし、その思いとは裏腹に、良くなったり、また少し悪くなったりを繰り返し、自分に対してストレスを抱くようになってしまっていた。でも、すこしずつ、できることが増えていく過程で、自然の流れに逆らわずに今できることを追求していこうという気持ちに変わった。それから、左手の練習を始めたり、自分ができそうな単発のアルバイトを入れてみたりするようになった。そうして、自分のペースでなら仕事ができるのではないかと考え始める。
Tokoa coffeeの誕生
療養期間中に共に歩んだコーヒーとオルゴール。おそらくこれから先の人生、僕の中で切り離すことができないものになった。コーヒーとオルゴールで、自分で何か仕事ができないかと考え、生豆にオルゴールの音色を聴かせて、それから焙煎したら美味しくなるのかな?と思いつく。実際にオルゴールを聴かせたものと聴かせていないものを、焙煎後食べて比べてみたところ、聴かせた豆の方が雑味がなくなっていることを発見。全く喉に不快感が残らなかった。複数回試して、結果が同じだったことから、オルゴールで熟成されたコーヒー豆のお店を始めることを決意。
Tokoa coffeeと名付けた理由
Tokoa coffeeと名付けた理由
Tokoaとは、2つのマオリ語(NZ先住民族の言語)の言葉を合わせた造語で、
toko=増える、湧き出る koa=幸せ、喜び
を組み合わせた。
NZの言語を使った理由は、いざ自分のお店の名前を考えるとなったとき、自分の人生の中にあるものにしたかったので、僕が大学時代に短期留学で訪れたNZで先住民族マオリ族がいたこと、マオリ語という言語があったことを思い出し、この言語を候補にした。マオリ語について調べていると、日本語と同じ母音を使うことや、日本語にニュアンスの近い言葉が多いことがわかり、マオリ語でお店の名前をつくることで、日本人に親しみを持ってもらいやすいとのではないかと思った。ひたすらマオリ語辞典を引いて、この二つの言葉にたどり着き、屋号が決定。
こうしてTokoa coffeeは2015年1月に開業。
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今もこれからもストーリーは続いていきます。
関わってくださっている皆様と一緒に、末永く素敵なストーリーをつないで行けますように…
Tokoa coffee 池田和繁